しかし 、 予備 自衛 官 の 訓練 は 法律 上 、 20 日間 実施 が 可能 と さ れる が 、 本業 と の 兼ね合い が 困難 と なっ て いる こと から 、 年間 5 日間 と さ れ て いる の で あり 、 本来 予備 自衛 官 として 必要 な 錬 度 を 確保 する こと は 難しい 状況 に ある 。
そこで 、 1997 年 ( 平成 9 年 ) に は 陸上 自衛隊 が 年間 30 日 の 招集 教育 訓練 に 応ずる 義務 を 有する 即応 予備 自衛 官 の 官職 を 創設 し 、 常備 自衛 官 の 退職 者 ならびに 予備 自衛 官 より 選考 さ れ た 者 を 任用 し て 、 有事 に 即応 し 、 かつ 一定 の 錬 度 を 有する 人員 の 確保 策 が 図ら れる よう に なっ た ( 即応 予備 自衛 官 について は 当該 項目 を 参照 ) 。
この よう に 予備 自衛 官 は 、 陸上 自衛隊 を 皮切り に 陸海空 すべて の 自衛隊 にて 任用 さ れ 、 さらに 陸上 自衛隊 で は 即応 予備 自衛 官 の 任用 を はじめる など 、 二 重 三 重 の 予備 人員 の 練 成 ・ 確保 策 を 推進 し て き た 。
しかし 、 予備 自衛 官 の 員数 は 年々 減少 し 、 退職 し た 自衛 官 に 限定 し た 員数 の 獲得 が 困難 と なっ た こと も あり 、 自衛隊 において 勤務 経験 の ない 一般 国民 を 対象 として 予備 自衛 官 補 の 採用 を はじめ 、 2001 年 以降 より 一定 の 招集 教育 訓練 を 修了 し た 者 を 予備 自衛 官 と する 制度 が 発足 し 、 これ まで の 予備 自衛 官 制度 を 大きく 転換 ・ 改善 する 取り組み が はじまり つつ ある 。
特に 、 予備 自衛 官 補 制度 の 新設 を通じて 、 予備 自衛 官 の 任用 の 対象 を 一般 国民 に まで 拡げ た こと は 、 予備 自衛 官等 制度 発足 し た 1950 年代 と 比較 する と 、 きわめて 画期的 な こと で あっ た 。
自衛隊 が 発足 し て 間 も ない 1955 年 8 月 に 、 防衛庁 長官 ・ 砂田 重政 により 高等 学校 ・ 大学 等 の 卒業生 を 対象 に 10 ヶ月 ないし 一 年間 、 自衛隊 の 学校 に 入校 さ せ 、 予備 幹部 自衛 官 と する 構想 を 記者 会見 で 発表 し た が 、 個人 的 な 見解 の 部分 が 多く 、 政府 部 内 で も あまり 検討 は 進め られ なかっ た 。
戦後 間 も ない 社会 情勢 の 中 で 自衛隊 に対する 警戒 や 懸念 が 強かっ た こと も あり 、 頓挫 し 防衛庁 長官 が 更迭 さ れる 事態 に 発展 し た こと が あっ た ( なお 、 砂田 の 罷免 は 予備 幹部 自衛 官 制度 の 提言 のみ なら ず 、 地域 社会 に 郷土 防衛 隊 なる 民間 防衛 組織 を つくり 、 主 に 地域 の 青少年 に 民間 防衛 の 役割 を 担わ せる 郷土 防衛 隊 構想 を 掲げ 、 一連 の 提言 が 世論 の 批判 や 懸念 を 招き 更迭 と なっ て いる ) 。
この よう な 国際 情勢 の 中 で はじまっ た 予備 自衛 官 補 制度 の 発足 は 、 若年 者 を 中心 に 定員 を 大きく 超える 応募 者 が 募り つつ あり 、 予備 自衛 官等 制度 の 一翼 として 定着 し つつ ある 。
この よう に 、 今後 も 安全 保障 環境 の 変化 の 中 で 、 予備 自衛 官等 制度 に対する 期待 も 寄せ られ つつ あり 、 予備 自衛 官 を はじめ と し た 予備 要員 の 適性 な 人員 の 獲得 と 能力 の 向上 、 また その ため に 予備 自衛 官等 制度 に対する 国民 の 理解 を 得る こと が 当該 制度 の 定着 を 図る 上 で の 課題 と なっ て いる 。
近年 で は 、 予備 自衛 官 の 新た な 運用 構想 に 基づき 、 従来 の 5 日間 訓練 に 加え 、 予備 自衛 官 の 中 から 選抜 さ れ た 者 を 中央 訓練 に 参加 さ せ たり 、 5 日間 以上 の 訓練 日程 を 組む こと も 行わ れ て いる 。
現在 で は 、 予備 自衛 官 に 情報 科 職種 の 創設 を 行い 、 予備 自衛 官 補 ( 技能 ) 出身 の 技能 公募 予備 自衛 官 の うち 、 語学 採用 の もの を 情報 科 に 移動 可能 と する こと や 、 一般 公募 予備 自衛 官 の 運用 職域 の 拡大 等 、 様々 な 検討 が さ れ て いる 。
当初 は 陸上 自衛隊 に 所属 する 予備 自衛 官 のみ を 対象 と し て い た が 、 1 ヶ月 後 の 4 月 16 日 に は 海上 自衛隊 及び 航空 自衛隊 の 予備 自衛 官 に対して も 災害 派遣 招集 命令 が 発令 さ れ た 。
初めて の 招集 命令 の ため 、 これ まで 準備 し て 無かっ た 個人 装備 品 の 充実 や 予備 自衛 官 の 勤務 し て いる 民間 企業 と の 調整 が うまく できる か が 問題 と なっ た 。
2012 年 3 月 財務省 は 、 東日本 大震災 における 「 予備 自衛 官 制度 の 運用 」 について 調査 を おこなっ た 。
その 総括 に よる と 、 被災 地域 外 に 出頭 可否 の 事前 調査 を 行っ た 所 、 出頭 可能 と 回答 し た 予備 自衛 官 は 2 割 弱 に とどまり 、 その 中 で 被災 地 の 増援 要請 により 、 防衛 省 が 出頭 を 打診 し た 者 が 155 人 うち 実際 に 出頭 し た 者 は 、 事前 調査 対象 者 全体 の およそ 0 . 4 % の 103 人 で 、 制度 として 機能 不全 と なっ て いる 実態 が 明らか と なっ た ( ただし 、 出頭 できる 事 を 表明 し て いる に も かかわら ず 、 最終 的 に 出頭 の 打診 や 出頭 命令 が 無かっ た 予備 自衛 官 も 多数 い た ) 。
分析 の 結果 、 「 予備 自衛 官 制度 の 維持 に は 年間 80 億 円 も の コスト が かかっ て いる が 、 災害 対処 時 に 予備 自衛 官 を 十分 に 動員 する 運用 態勢 が 確立 さ れ て い なかっ た 」 と 結論づけ た 。
通常 、 自衛 官 の 階級 は 陸 将 、 海 将 、 空 将 以下 二 等 陸士 、 二 等 海士 、 二 等 空 士 まで の 16 階 級 で ある が 、 予備 自衛 官 の 階級 は 陸上 自衛隊 で は 13 階 級 から 、 海上 ・ 航空 自衛隊 で は 10 階 級 から 構成 さ れる 。
予備 自衛 官 の 階級 において は それぞれ 通常 の 自衛 官 の 階級 の 上 に 予備 と 冠する こと と さ れ 、 予備 二 等 陸 佐 、 予備 一等 海 尉 、 予備 一等 空 尉 を 最高 位 と し 、 陸上 自衛隊 で は 予備 二 等 陸士 、 海上 ・ 航空 自衛隊 で は 予備 一等 海士 ・ 予備 一等 空 士 を 以 って 階級 第 10 ~ 13 位 として 定め られ て いる ( ただし 予備 二 士 は 予備 自衛 官 補 ( 一般 公募 ) の 終了 者 のみ で あり 、 現職 から 予備 自衛 官 に なっ た 者 は 一 士 以上 の 階級 が 指定 さ れる ) 。
現在 、 技能 ・ 一般 公募 において 任用 さ れ た 予備 自衛 官 補 が 所定 の 招集 教育 訓練 を 修了 し た 場合 、 応募 し た 公募 区分 及び 資格 ・ 経験 に 基づき 、 以下 の 職種 及び 階級 を 募集 し て いる 。
その 為 、 その 年 において 、 どの 階級 ・ 地位 に 各 有 資格 者 および 経験 者 を 募集 する か は 、 予備 自衛 官 補 の 採用 ページ を 参照 の こと 。