こうした 原典 の ほか 、 9 世紀 から 14 世紀 にかけて 北欧 で 編纂 さ れ た 『 サガ 』 や 『 サットル 』 、 『 スカルド 詩 』 など に も 北欧 の 信仰 は 反映 さ れ て おり 、 これら から 伺い 知る こと が できる 神話 も 存在 する 。
トール の 魚釣り の 旅 や 『 ヴォルスンガ・サガ 』 から の 場面 、 オーディン と スレイプニル や フェンリル に 飲み込ま れる オーディン など 、 北欧 神話 から の 場面 を 描い た ルーン 文字 石碑 や 絵画 石碑 も ある 。
また これら 北欧 で 著さ れ た もの の 他 に 、 1 世紀 ごろ の ローマ の 歴史 家 タキトゥス が 著し た 『 ゲルマーニア 』 や 、 イブン・ファドラーン の 『 ヴォルガ・ブルガール 旅行 記 』 など に も 、 ゲル マン 人 の 信仰 に関する 記述 が 残さ れ て い た 。
北欧 神話 の 宇宙 観 は 、 強い 二元 的 要素 を 含ん で いる 。
他 の 権威 ( ミルチャ・エリアーデ や J ・ P ・ マロイ 等 ) は 、 こうした アース 神 族 ・ ヴァン 神 族 の 区分 は 、 インド = ヨーロッパ 系 民族 による 神 々 の 区分 が 北欧 において 表現 さ れ た もの だっ た と し 、 これら が ギリシア 神話 における オリュンポス 十 二 神 と ティー ターン の 区分 や 、 『 マハーバーラタ 』 の 一部 に 相当 する もの で ある と 考察 し た 。
北欧 神話 は 、 他 の 多く の 多神教 的 宗教 に も 見 られる が 、 中東 の 伝承 に ある よう な 「 善悪 」 として の 二元 性 を やや 欠い て いる 。
つまり 、 北欧 神話 の 中 で 存在 する 二元 性 と は 厳密 に 言え ば 「 神 vs 悪 」 で は なく 、 「 秩序 vs 混沌 」 な の で ある 。
北欧 神話 において は 、 生命 の 始まり は 火 と 氷 で 、 ムスペルヘイム と ニヴルヘイム の 2 つ の 世界 しか 存在 し なかっ た と いう 。
古き 北欧 における 未来 の 展望 は 、 冷たく 荒涼 と し た もの で あっ た 。
同じく 北欧 神話 において も 、 世界 の 終末 像 は 不毛 かつ 悲観 的 で ある 。
それ は 、 北欧 の 神 々 が ユグドラシル の 他 の 枝 に 住む 者 に 打ち 負かさ れる 可能 性 が ある という こと だけ で なく 、 実際 に は 彼ら は 敗北 する 運命 に あり 、 この こと を 知り ながら 常に 生き て い た という 点 に も 表れ て いる 。
現在 理解 さ れ て いる 北欧 神話 で は 、 奴隷 の 少女 に は 「 生贄 」 という 隠さ れ た 目的 が あっ た の で は という 理解 が なさ れ た 。
北欧 神話 において 、 死体 焼却 用 の 薪 の 上 に 置か れ た 男性 の 遺体 に 女性 が 加わっ て 共に 焼か れれ ば 、 来世 で その 男性 の 妻 に なれる で あろ う という 考え方 が あっ た と も 信じ られ て いる 。
北欧 神話 を 解釈 する 上 で 重要 な の は 、 キリスト 教徒 の 手 により 「 キリスト 教 と 接触 し て い ない 」 時代 について 書か れ た 記述 が 含ま れ て いる という 点 で ある 。
弾圧 による 改宗 は 、 北欧 の 神 々 が 崇拝 さ れ て い た 地域 全体 で ばらばら に 起っ て いる 。
キリスト 教 の 聖職 者 達 は 、 北欧 の 神 々 が 悪魔 で ある と 全力 を 挙げ て 大衆 に 教え 込ん だ の だ が 、 その 成功 は 限ら れ た もの と なり 、 ほとんど の スカンディナヴィア における 国民 精神 の 中 で は 、 そうした 神 々 が 悪魔 に 変わる こと は 決して なかっ た 。
19 世紀 と 20 世紀 に 、 スウェーデン の 民族 学者 達 は 一般 の 人々 が 信じ 、 北欧 神話 における 神 々 の 残存 する 伝承 を 記録 し た が 、 その 当時 伝承 は 結集 さ れ た スノッリ による 記述 の 体系 から は かけ離れ た もの で あっ た と いう 。
特に スカンディナヴィア の 伝承 における 霊的 な 存在 の よう に 、 認知 さ れ て は い ない が 北欧 神話 の 別 の 要素 も 残さ れ て いる 。
その 上 、 北欧 の 運命 の 考え方 は 現代 まで 不変 の もの で あっ た 。
ラテン語 における 曜日 の 名称 ( Sun , Moon , Mars , Mercury , Jupiter , Venus , Saturn ) を 基 に し て 作ら れ た 火曜日 から 金曜日 まで の 名称 は 、 それぞれ の ローマ 神話 の 神 々 に 相等 する 北欧 の 神 々 に 取っ て 代わっ た 。