本 項 で は 民話 に 登場 する 剣 を 主として とりあげ たい が 、 一般 認識 として は 後者 の ほう が 印象 が 強い こと に 配慮 し て 、 その 区別 など に も 字数 を 割い て 説明 する 。
日本 の ファンタジー 系 書籍 で は 、 いわゆる 「 クラウ・ソラス 」 なる 剣 が 、 輝く 剣 ( 抜刀 する と 周囲 の 目 を 眩ま す ) 、 呪文 が 刻ま れる 剣 、 神 族 の 都 の ひとつ フィンジアス から もたらさ れ た 不敗 の 剣 、 、 隠れ た 敵 も 探し出し 、 ひとりでに 倒す 自動 追尾 機能 の ある 剣 など と 紹介 さ れ て いる が 、 これ は あらゆる ケルト 神話 ・ 民話 ・ 妖精 物語 に 登場 する 剣 の 属性 を 寄せ 集め た モンタージュ と いえる 。
=== 民話 例 の 概要 === 「 光 の 剣 ( クレイヴ・ソリッシュ ) 」 が 登場 する 民話 の 大 多数 は 冒険 譚 で 、 主人公 ( ヒーロー ) に は 果たさ ね ば なら ない 難 業 や 試練 が ( 典型 的 に は 三つ ) 課せ られ 、 たいがい は 何らかの 助っ人 ( helper ( s )) の 力 を 借り て 、 みごと これ を 遂行 する 粗筋 で ある 。
相手 の 敵 の 「 巨人 」 は 、 原 話 で は 「 大男 」 ( fermór の 直訳 ) または グルガハ (?)( gruagach ) と 呼ば れる 鬼 や オーガ の よう な 存在 で ある ( スコットランド 民話 で は 上 の 同 源 語 が もちい られる ほか 、 敵 が ≒「 山姥 」 " cailleach "( 参照 : カリアッハベーラ ); 英 : " carlin " の 例 も ある ) 。
この 巨人 は 、 ある 秘密 の 方法 で しか 倒せ ない の が 、 民話 の お 約束 ごと で ある 。
それ が 幾つ か の 種類 の 動物 の 体内 ( や 容器 ) に 、 入れ子 構造 式 に 入っ て いる こと も 典型 的 で ある ( スコットランド 民話 " The Young King of Esaidh Ruadh " 等 ) 。
民話 例 の 多く に は 花嫁 探求 ( bridal quest ) の 側面 が あり 、 これ は 民話 で は とりわけ 珍しい わけ で は ない が 、 単純 な 白馬 の 騎士 的 物語 と は 違っ た ひねり が み られる 。
他 の 民話 例 で も 、 巨人 の 娘 や 、 巨人 に とらわれ の 令嬢 や 家政 婦 が 、 貴重 な 助言 を し て くれ て 、 主人公 が 命拾い し たり 、 巨人 や 竜 を 退治 する こと が できる の で ある 。
また 、 「 女性 にまつわる 秘密 が 明かさ れる 」 という テーマ は 、 じつは 重要 性 を 占める もの らしく 、 一つ の 民話 例 で は 、 「 光る 剣 と 、 女性 にまつわる 唯一 の 物語 の 原因 の 知得 」 (?) という 題名 に すら なっ て いる 。
人間 が 動物 に 変じ られ て いる という 要素 は 、 狐 が 活躍 する スコットランド 民話 (" An Sionnach , the Fox ") に も 見 られ ( そこ で は 光 の 剣 は " White Glave of Light . an claidheamh geal soluis ) と 称さ れる ) 。
また 、 ある 民話 で は 、 女 主人公 を 手助け する 猫 が 、 のち に 人間 の 王女 の 姿 に 舞い戻る (" The Widow and her Daughters ") 。
この 民話 に ごく 類似 する の が 「 機織 の 息子 と 白い 丘 の 巨人 」 で あり 、 そこ で は 光 の 剣 に おきかわり 「 鋭利 の 剣 」 (" sword of sharpness ") で ある が 、 主人公 は 、 姉たち を 不思議 の 国 に 尋ね に 行き 、 大きな 牡 羊 ・ 鮭 ・ 鷲 の 変わり 姿 を もつ 義兄 たち から 、 それぞれ 羊毛 ひとつかみ 、 ひれ の かけ ら 、 羽 一 枚 を もらい 、 これら の 品々 の 不思議 な 力 によって 鮭 の 魚 群 、 羊 の 大群 、 鷲 の 集団 を 召還 し 、 秘密 の 卵 を 得 た のち 、 これ を 巨人 の 腕 下 の 黒子 に 命中 さ せ て 倒す ( また 、 単に 卵 を つぶせ ば 巨人 が 死ぬ 例 が 、 " The Young King of Esaidh Ruadh " で ある 。
この 卵 は アアルネ = トンプソン の 民話 分類 ( AT 分類 ) の AT 302 「 卵 に 入っ て いる 鬼 ( オーガ ) ( 悪魔 ( デヴィル ) ) の 心臓 。 」 " The ogre ' s ( devil ' s ) heart in the egg "、 トンプソン の 分類 E 711 . 1 . に 該当 する ) 。
=== 光 の 剣 の 属性 === ある 民話 で は フィアハ・オ・ドゥダ (?)( Fiacha O ' Duda ) が 所有 する 光 の 剣 は 、 ダイヤモンド を ちりばめ た 柄 (" diamond - crested hilt ") を もち 、 暗い 色合い の 鞘 から 抜身 の 刃 が 三 インチ ほど のぞい た だけ で 、 窓 なし の 寝室 が 、 直射 日光 を 受け た 部屋 の よう に 輝い て い た と いわ れる 。
他 に も 地下 の 岩穴 の 暗がり を 照らす (" Tale of Connal ")、 夜中 に 井戸 の 水 汲み に 来 た 使用人 が 光源 として 使う (" Maol a Chliobain ") など の 民話 が ある 。
スコットランド 民話 の ひとつ で は 、 光 の 剣 は 、 意地悪 で メドゥーサ 的 な 継母 が 浴びせる 、 人間 を 薪 の 束 に 変え て しまう 視線 を 反射 さ せる という 利用 法 が さ れる (" Mac Iain Direach ")。
== スコットランド = ゲール 語 民話 リスト == 光 の 剣 に 言及 する 、 スコットランド の 西 ハイランド 地方 で 採集 さ れ た 民話 集 の 刊行 ({ Harvnb | Campbell | 1860 | loc = vol . I & II }, Popular Tales of the West Highlands ) は 、 その よう な アイルランド の 民話 が 刊行 し ださ れ た 時期 より 早い と 言える 。
== アイルランド 語 民話 リスト == 以下 、 邦訳 の 確認 でき た もの は 太字 で 示し た 。
民話 集 の 書籍 について は # 一 次 資料 を 参照 。
ドニゴール 州 で 収集 さ れ た ある 民話 ( 英語 要約 " Hung up Naked Man ", Loomis , p . 18 ; 原 話 Quiggin 編 " Éamonn Ua Ciórrthais (?)") は 、 上 で 挙げ た スコットランド 民話 (" Young King of Esaidh Ruadh ") に 酷似 し て いる 。