『 英雄 の 生涯 』 ( えい ゆう の しょうが い 、 Ein Heldenleben ) 作品 40 は 、 リヒャルト・シュトラウス が 作曲 し た 交響 詩 。
この 曲 の 「 英雄 」 と は リヒャルト・シュトラウス 自身 を 指す と 言わ れ て いる が 、 作曲 者 本人 は 「 それ を 知る 必要 は ない 」 と し て おり 、 この 曲 に プログラム が ある こと を 言明 し て い ない 。
この 曲 は ベートーヴェン の 交響 曲 第 3 番 『 英雄 』 ( エロ イカ ) と 同じ 変 ホ 長調 を 主調 と し て いる 。
友人 に 宛て た 手紙 で も 「 近頃 ベートーヴェン の 英雄 交響 曲 は 人気 が なく 、 演奏 さ れる こと も 少ない 」 と 冗談 を 言い 、 「 そこで 今 、 代わり と なる 交響 詩 を 作曲 し て いる 」 と 述べ て いる 。
また この 曲 で は 、 シュトラウス の 他 の 作品 から の 引用 ( 後述 ) とともに 、 ベートーヴェン の 『 英雄 』 の フレーズ も 断片 的 に 引用 さ れ て いる 。
前奏 は なく 、 いきなり 低 弦 と ホルン の 強 奏 で 雄渾 な 英雄 の テーマ が 提示 さ れる 。
これ は 英雄 の 情熱 ・ 行動 力 を 表す 重要 な テーマ で ある 。
英雄 の テーマ は 力 を 増し て いき 、 その 頂点 で 突如 休止 する 。
敵 の 非難 は 勢い を 増し 、 英雄 は 一時 落胆 する が 、 やがて 力強く 再起 する 。
愛する 女性 の 出現 に も かかわら ず 英雄 は 行動 を 続けよ う と する が 、 次第に 彼女 に 心 惹か れ て いく 。
伴侶 の テーマ も 英雄 に 惹か れ たり 、 英雄 を 拒否 する よう な そ ぶり を 見せ たり する 。
敵 の テーマ が 回帰 し 英雄 を 嘲笑 する が 、 愛 を 得 た 英雄 は 動じ ない 。
敵 を 表す 強力 無比 な 金管 群 ・ 木管 群 が 舌鋒 鋭く 英雄 を 非難 する が 、 英雄 ( 低 弦 と ホルン ) は 雄々しく 戦う 。
伴侶 ( ヴァイオリン ) も 英雄 を 支え て いる 。
英雄 の 自信 に 満ち た 行動 に 敵 は 圧倒 さ れ 、 英雄 の 一撃 で 敵 は 総崩れ に なる 。
英雄 の 華々しい 勝利 が 歌い上げ られ 、 英雄 と 伴侶 は 手 を 携え て 登場 する 。
次第に テンポ が ゆっくり に なり 、 英雄 は 自己 の 内部 を 見つめる よう に なる 。
「 ドン・キホーテ 」 終曲 の テーマ が 引用 さ れ 、 年老い た 英雄 の 諦念 が 表さ れる 。
英雄 は 田舎 に 隠棲 し 、 自ら の 来し方 を 振り返っ て いる 。
英雄 は さらに 自己 の 内部 に 沈潜 し て いく 。