少年 漫画 誌 が 青年 読者 の 獲得 に 力 を 入れる 中 、 『 週刊 少年 サンデー 』 編集 部 に 、 ゴンスケ を サラリーマン 化 し た 新作 を 提案 さ れ た が 、 藤本 は 「 私 は 最近 の 読者 層 の 変質 に ついていけ ませ ん 」 と これ を 拒否 し て いる 。
しかし 、 両者 の 作風 の 違い は 徐々に 読者 に も 知ら れる よう に なり 、 安孫子 は 「 黒い 藤子 」 、 藤本 は 「 白い 藤子 」 と あだ名 さ れる よう に なっ た 。
安孫子 は ブラックユーモア を 好ん だ こと に 加え 、 藤本 より 線 が 太く 、 絵 の 感じ が 黒っぽい こと に よる 。
一見 する と 好調 に 見える 時期 だ が 、 藤本 は しばしば 体調 を 崩し 、 『 ドラえもん のび太 の パラレル 西遊 記 』 ( 1988 年 公開 ) は 映画 原作 漫画 が 描か れ なかっ た 。
コンビ 解消 の 理由 について は 藤本 が 「 実際 一緒 に 作品 を 描い た の は 最初 の 頃 だけ で 、 以降 は お互い が 別々 に 作品 を 描い て は 藤子 不二雄 の 名前 で 発表 し て い た もの です から 、 もう ここら へ んで 、 お互い に 「 藤子 不二雄 の ネーム ・ バリュー に 頼ら ず 一本立ち し て いっ て も いい ん じゃ ない か 」 と 話し合い コンビ を 解消 し まし た 」 と 共同 で 発表 し た 。
コンビ 解消 後 、 安孫子 は 「 藤子 スタジオ 」 に 残り 、 藤本 は 「 藤子 プロ 」 を 立ち 上げ 、 藤子 スタジオ の 隣 の ビル に 移っ た 。
安孫子 は 藤子 不二雄 Ⓐ に 、 藤本 は 藤子 不二雄 Ⓕ と し た が 、 1 年 後 に 藤子 不二雄 Ⓕ は 「 あの ね 、 藤子 不二雄 F じゃ ちょっと 語呂 が 悪い よ 。
後 に 安孫子 は インタビュー ( 『 別冊 宝島 』 409 ザ・マンガ 家 / 宝島社 ) で 、 コンビ 解消 の 理由 として 「 藤本 君 は 生活 ギャグ 一 本 で やってき た が 、 自分 は 傾向 が 変わっ て き た 。
作品 も 生活 も 自分 と 藤本 君 と は 違い が 出 て 来 た 。
自分 が 過激 な の を 描こ う として 、 藤本 君 の 『 ドラえもん 』 を 傷つける と いけ ない から 。
しかし 後年 、 安孫子 は 藤本 の 『 ドラえもん 』 が 大 ヒット し た の を 見 て 、 「 この まま だ と 、 藤本 氏 の マネジャー か アシスタント を やる しか ない の で は 」 と 内心 悩ん で い た と 振り返っ て いる 。
また 安孫子 は 「 自分 は 社交 性 が ある ため 、 酒 や ゴルフ を 覚え た が 、 藤本 君 は その よう な こと は 一切 し なかっ た 。
結果 的 に 藤本 君 は 少年 の よう な 心 を 持ち 続ける きっかけ と なり 、 逆 に 自分 は こども 心 が 薄れ 、 作風 に 差 が 出 た 」 と も 語っ て いる 。
コンビ 解消 を 切り出し た の は 、 安孫子 に よる と 、 藤本 の 方 で あっ た 。
藤子 不 二 雄 として の 著作 権 料 は 関与 の 度合い に 関係 なく 均等 に 二 分割 だっ た が 、 どちら か の 死後 、 遺族 によって 著作 権 と 金銭 で 確執 が 起こる と 考え ( 特に 実質 的 に 藤本 作品 で ある 『 ドラえもん 』 の 巨額 の 著作 権 料 の 分配 が 問題 と なる と 予想 さ れ た ) 、 それ を 未然 に 防ぐ ため に コンビ を 解消 し た と いう 。
藤本 夫人 の 藤本 正子 に よる と 、 コンビ 解消 の きっかけ は 1986 年 、 藤本 の 入院 だっ た 。
胃癌 の 手術 後 、 藤本 は 復帰 し た が 、 また 体調 を 崩し 、 その 翌年 に 「 安孫子 氏 と 別れよ う と 思う 」 と 打ち明け た 。
お互い の 不仲 による コンビ 解消 で は なかっ た ため 、 藤本 は 海外 旅行 へ 行く たび 安孫子 に は 土産 を プレゼント し て おり 、 安孫子 も 自宅 の 応接間 に それら を 飾っ て いる など 、 コンビ 解消 後 も 交遊 関係 は 続い て い た と いう 。
コンビ を 解消 の 9 年 後 の 1996 年 、 藤本 が 死去 。
藤子 不 二 雄 二 人 の 合作 は 中央公論社 の 『 藤子 不二雄 ランド 』 が 絶版 する と 、 藤本 の 遺族 の 著作 権 によって 完全 に 読む こと が 20 年 近く 不可能 と なっ て しまっ た 。