今日 ( こん に ち ) で は 、 貨幣 の 流通 量 や ベース マネー の 監視 ・ 監理 は 中央 銀行 の 中心 的 な 業務 目的 と さ れ 、 物価 安定 の ため の 必要 条件 と みなさ れ て いる が 、 為替 や 実体 経済 の 側面 、 すなわち 労働 分配 率 ( 賃金 ) 、 税 、 利子 率 、 人口 動態 や 設備 投資 、 あるいは 技術 発展 など といった 可視 ・ 不可視 な 要素 まで を 考量 する こと が 物価 安定 の 目標 を 達成 する ため に は 必要 で ある と さ れ て いる 。
現代 の 我々 に は 直感 的 に 理解 し にくい 事 で ある が 、 管理 通貨 制度 が 定着 する 以前 で は 「 社会 」 に 存在 する 貨幣 の 総量 は 誰 に も 計測 でき ない ( 把握 さ れ て い ない ) もの で あり 、 金塊 が 採掘 さ れる なり 、 難破 など の 事故 により 貴金属 ( 金銀 など ) が 喪失 さ れる なり といった 確率 現象 や 、 貯蓄 の ため に 金塊 を 退蔵 する といった 個々人 の 経済 行動 は 、 物価 に対して 深刻 な 影響 を 与える 要素 で あっ た 。
新大陸 の 金銀 財宝 こそ が 富 の 源泉 で あり 、 その 金銀 を 本国 へ と 持ち帰り 、 その 量 こそ が 富 だ と し た の だ が 、 後 の 絶対 王政 以後 の フランス で 重 商 主義 つまり 貿易 黒字 による 差額 が あれ ば 、 金銀 は 自然 と 自国 に 蓄積 さ れ て くる という 考え方 で あっ た 。
その 理由 は 毎年 生産 さ れ 続ける 農産物 など と その後 の 発掘 に 手間 が かかり あまり 増え ない 金銀 と で は 農産物 の ほう が はるか に 優位 で あり 、 しかも 人間 にとって 重要 な 食料 で ある 穀物 の 量 を 確保 すれ ば 自然 と 金銀 と 交換 さ れ 、 貿易 差額 の 黒字 により 蓄積 さ れる という 考え方 で ある 。
言い換えれ ば 鉱山 より も 肥沃 な 田畑 の 方 が 効率 が いい という もの で ある が 、 その後 の 議会 制 が 整い 始め た イギリス において 工夫 や 農夫 の どちら の 労働 も 価値 が ある と さ れ 、 「 富 の 源泉 は 労働 力 」 で ある と 帰結 さ れる に 至っ た 。
交換 方程式 は 逐一 個別 の 取引 ( 単価 p の 商品 を q 個 だけ 取引 する ため 、 貨幣 m を 1 回 支払う ) を マクロ 経済 全体 で 合計 (∑ v = 1 → V ) し た もの と さ れる 。
P Y は 名目 GDP で あり 、 ケンブリッジ 方程式 の 要諦 は 「 現金 として 保有 さ れる 残高 は 名目 GDP に 比例 し て いる 」 という もの で ある 。
そこで 経済 全体 を おし なべ た 結果 として の 貨幣 選好 を k と すれ ば 前述 の 方程式 で 記述 さ れる 。
また 、 k や P が 変化 し ない という 仮定 の 下 で は 、 M を 増加 さ せる こと で Y を 増加 さ せる こと が できる という 関係 を 表し て いる 。
フィッシャー の 交換 方程式 は 極めて 明瞭 で 、 一見 する と M と P に 極めて 強い 相関 関係 が 予想 さ れる 。
新 古典 派 経済 学 の 考え方 に よる と 、 労働 供給 が 飽和 する 水準 で 実質 GDP は 均衡 する ので ( 供給 は 需要 を 創出 する ( セイ の 法則 ))、 実質 GDP は 貨幣 量 や 物価 と は 関係 なく 決定 さ れる 。
物価 を 安定 さ せる に は 貨幣 量 M の 水準 に のみ 関心 を 払っ て おれ ば よい 。
ミルトン・フリードマン に 代表 さ れる マネタリスト は 、 Q / V の 構造 に 長期 的 な 安定 傾向 を 見いだし 、 短期 的 に は 貨幣 の 中立 性 が 満たさ れ ない こと は ある が 、 長期 的 に は 満たさ れる と する 。
限定 さ れ た 期 中 における 交換 ( フロー ) のみ に 着目 し た 恒等 式 に は 、 来期 以降 の 不 確実 性 に対する 予測 や それ に対する 準備 ( 貯蓄 ) という 概念 を 一見 必要 と し ない 明瞭 さ が ある 。
マーシャル の k は 経済 全体 が どの 程度 の 含み 資産 を もっ て いる か 、 経済 成長 力 ( 自然 利子 率 ) が どの 程度 か 、 投資 収益 率 ( 名目 利子 率 ) が どの 程度 か 、 など といった 状況 に も 左右 さ れる かも しれ ない 。
国 が 戦費 調達 を 目的 として 戦時 国債 を 増発 し て 中央 銀行 に 引き受け させれ ば 経済 は 強く 刺激 さ れる かも しれ ない 。
ある 推計 に よる と アメリカ の 1940 年度 の GDP は 9 , 308 億 ドル で あっ た が 1945 年度 まで に 国債 を 累積 で 20 , 850 億 ドル を 発行 し GDP 16 , 470 億 ドル と 急進 さ せ た 。
歳出 を 通貨 発行 で 賄う こと を 継続 し た 場合 、 金利 による 資源 配分 機能 が 抑制 さ れ 、 需要 増大 の ほとんど が 物価 上昇 へ 結びつく よう に なり 、 高い インフレ が 発生 する 。
また 国債 を 中央 銀行 に 引受 さ せる こと で 財政 出動 の 原資 と し 、 定額 給付 や 所得 保障 、 所得 税 減税 を 行う といった 「 ヘリコプター マネー 論 」 が ある 。
ただし 一般 に マネタリスト は 、 政策 に関する ラグ の 存在 により 、 貨幣 供給 量 を 変化 さ せる と 不要 の 景気 変動 を 生ん で しまう と 考える こと から 、 裁量 的 に 貨幣 供給 量 を 変化 さ せる こと に は 否定 的 で ある 。