藤本 真澄 （ ふじ もと さ ねずみ 、 1910 年 7 月 15 日 - 1979 年 5 月 2 日 ） は 、 日本 の 映画 プロデューサー 。

藤本 が 明治製菓 を 辞め た 後 に 入っ た の が 戸板 康二 。

1949 年 独立 プロ ・ 「 藤本 プロダクション 」 を 設立 し て 各社 の 製作 を 請け負う 。

あまりに も 有名 な 主題歌 を 監督 の 今井 正 は 嫌 で 嫌 で 仕方 なかっ た と いう が 、 喧嘩 し て 今井 が 編集 室 から 飛び出し た 間 に 藤本 が 助監督 に 指示 し て 入れ させ 、 ラストシーン に 延々と 流し 続け た 、 という エピソード が 残っ て いる 。

1953 年 に は 「 藤本 プロダクション 」 を 置い た 銀座 に 有志 として 株主 を 集め 、 名画 座 ・ 並木 座 （ 映画 上映 1953 年 10 月 - 1998 年 9 月 ） を オープン さ せ た 。

同じ 東宝 プロデューサー の 田中 友幸 が アクション 映画 、 東宝 特撮 、 時代 劇 など を 得意 と し た の に対して 、 藤本 は 『 社長 シリーズ 』 など の サラリーマン 喜劇 、 『 若 大将 シリーズ 』 『 お 姐 ちゃん シリーズ 』 など の 青春 も の 、 セクシー ・ コメディ 、 成瀬 巳喜男 監督 作品 など の 文芸 作品 を 主として 製作 し 、 共に ドル 箱 路線 を 確立 し た ふたり は 東宝 映画 の 両輪 として 会社 を 支え た 。

稲垣 浩 監督 『 日本 誕生 』 『 忠臣蔵 花 の 巻 ・ 雪 の 巻 』 、 松林 宗 恵 監督 『 世界 大 戦争 』 、 岡本 喜八 監督 『 日本 の いちばん 長い 日 』 など 、 東宝 が 社 を 挙げ て 大作 映画 を 製作 する 時 は 、 藤本 と 田中 が 共同 で プロデュース に 当たっ た 。

藤本 と 田中 は 同 学年 だ が 、 田中 が 演劇 活動 を 経 て 東宝 入り し た ため 、 その 時 藤本 は 既に 第一線 で 活躍 中 だっ た 。

この ため 田中 は 藤本 の 助手 を し た 経験 が あり 、 藤本 が 兄貴 分 という 関係 と なる 。

藤本 の 製作 し た 作品 数 は 227 本 、 田中 は 240 本 に も 及ぶ 。

東宝 に は 田中 、 藤本 の 他 、 佐藤 一郎 、 森田 信義 と 、 4 人 の プロデューサー が い た が 、 その 中 で 、 藤本 が 一番 力 が あり 、 企画 の ゴーサイン は 藤本 が 実権 を 持っ て い た と いう 。

島崎 雪子 は 『 青い 山脈 』 で 原 節子 が やっ た 芸名 を 藤本 が 付け た 。

加山 を 売り出し た 『 若 大将 シリーズ 』 は 、 戦前 松竹 で 製作 さ れ た 「 若旦那 シリーズ 」 の 主演 、 上原 謙 、 佐分利 信 、 佐野 周二 の 三 人 を 一 人 に し て 焼き 直し た 藤本 の アイデア 。

加山 が 「 若 大将 」 と 呼ば れる 切っ掛け と なっ た シリーズ 第 1 作 『 大学 の 若 大将 』 の タイトル は 、 藤本 が 週刊 誌 で 見 た 黒岩 重 吾 を 「 北浜 の 若 大将 」 と 書い た 記事 から 連想 し た もの 。

加山 は 藤本 を 「 僕 を 育て て くれ た 恩人 」 と 述べ て いる 。

なお 石原 裕次郎 を 最初 に 石原 慎太郎 から 紹介 さ れ た の は 藤本 と いう が 、 タイプ で ない と 断っ た と いう 。

1961 年 の 『 みな 殺し の 歌 より 拳銃 よ さらば !』 は 、 まだ 若い 歌人 だっ た 寺山 修司 が 初めて 映画 （ 脚本 ） に 関わっ た 作品 、 クレジット に は 無い が 森 岩雄 が 酷評 し た 寺山 脚本 を 藤本 が 強引 に 映画 化 し た 。

渡辺 晋 が 本格 的 に 映画 製作 に 乗り出す の は 、 藤本 が 晋 と 渡辺 美佐 の ふたり を 契約 プロデューサー に 招い た こと が 切っ掛け 。

売り出し と は 違う が 、 1961 年 の 小津 安 二 郎 唯一 の 東宝 （ 製作 は 宝塚 映画 ） 監督 作品 『 小早川 家 の 秋 』 は 、 小津 の 大 ファン だっ た 藤本 が 酒 の 席 で 小津 を 口説き 、 松竹 専属 で あり ながら 実現 さ せ た もの 。

1979 年 の 黒澤 明 監督 『 影武者 』 は 藤本 の 企画 で 、 黒澤 と 勝 新太郎 の 橋渡し を し た の も 藤本 と いわ れる 　 勝 の 降板 は 、 ビデオカメラ の 持ち込み といった 些末 な 事 で は なく 、 藤本 の 急逝 によって 黒沢 と 勝 の パイプ役 が い なく なっ て しまっ た の が 原因 という 見方 も ある 。