この うち 、 とりわけ 目 を 引く の は 形容詞 の 少な さ で ある 。
ここ で 、 「 近称 」 は 最も 近い もの 、 「 中称 」 は やや 離れ た もの 、 「 遠称 」 は 遠い もの を 指す と さ れ た 。
この よう に 整理 すれ ば 、 上述 の 「 そこ で 待っ て い て くれ 」 「 そこ を さすっ て ください 」 の よう な 言い方 は うまく 説明 さ れる 。
もっとも 、 和語 と さ れる 「 ウメ ( 梅 ) 」 「 ウマ ( 馬 ) 」 が 元来 中国語 から の 借用 語 で あっ た 可能 性 が ある など 、 語種 の 境界 は とき に 曖昧 で ある ( 「 語彙 史 」 の 節 参照 ) 。
「 し づむ 」 の 含む 多様 な 意味 は 、 「 沈む 」 「 鎮 む 」 「 静 む 」 など と 漢字 を 用い て 書き分ける よう に なり 、 その 結果 、 これら の 「 し づむ 」 が 別々 の 語 と 意識 さ れる まで に なっ た 。
単純 語 は 、 「 あ たま 」 「 かお 」 「 うえ 」 「 し た 」 「 い ぬ 」 「 ねこ 」 の よう に 、 それ 以上 分け られ ない と 意識 さ れる 語 で ある 。
複合語 は 、 「 あ た まか ず 」 「 かお なじみ 」 「 うわ くちびる 」 「 いぬ ず き 」 の よう に 、 いくつ か の 単純 語 が 合わさっ て でき て いる と 意識 さ れる 語 で ある 。
なお 、 熟語 と 総称 さ れる 漢語 は 、 本来 漢字 の 字音 を 複合 さ せ た もの で ある が 、 「 えんぴつ ( 鉛筆 ) 」 「 せ かい ( 世界 ) 」 など 、 日本語 において 単純 語 と 認識 さ れる 語 も 多い 。
現代 の 日本語 は 、 漢字 ・ 平仮名 ・ 片仮名 を 用い て 、 常用漢字 ・ 現代 仮名遣い に 基づい て 表記 さ れる こと が 一般 的 で ある 。
アラビア 数字 や ローマ字 ( ラテン 文字 ) など も 必要 に 応じ て 併用 さ れる 。
漢字 は 、 日常 生活 において 必要 と さ れる 2136 字 の 常用漢字 と 、 子 の 名づけ に 用い られる 861 字 の 人名 用 漢字 が 、 法 で 定め られ て いる 。
実際 に は これら 以外 に も 一般 に 通用 する 漢字 の 数 は 多い と さ れ 、 日本工業規格 は JIS X 0208 ( 通称 JIS 漢字 ) として 約 6300 字 を 電算 処理 可能 な 漢字 として 挙げ て いる 。
これ に 加え 、 現代 漢語 通用 字 表 で は さらに 3500 字 が 追加 さ れ て いる 。
ただし 、 厳密 な 正書法 は なく 、 表記 の ゆれ は 広く 許容 さ れ て いる 。
多様 な 文字 体系 を 交え て 記す 利点 として 、 単語 の まとまり が 把握 し やすく 、 速 読性 に 優れる など の 点 が 指摘 さ れる 。
日本語 の 単純 な 音節 構造 に 由来 する 同音 異義 語 が 漢字 によって 区別 さ れ 、 かつ 字数 も 節約 さ れる という 利点 も ある 。
歴史 上 、 漢字 を 廃止 し て 、 仮名 または ローマ字 を 国字 化 しよ う という 主張 も あっ た が 、 広く 実行 さ れる こと は なかっ た ( 「 国語 国字 問題 」 参照 ) 。
たとえば 、 琉歌 「 てん さ ご の 花 」 ( て ぃんさぐぬ 花 ) は 、 伝統 的 な 表記 法 で は 次 の よう に 記す 。
この 表記 法 で は 、 たとえば 、 「 ぐ 」 「 ご 」 が どちら も gu と 発音 さ れる よう に 、 かな 表記 と 発音 が 一対一 で 対応 し ない 場合 が 多々 ある 。
なお 、 「 文体 」 の 用語 は 、 書か れ た 文章 だけ で は なく 談話 について も 適用 さ れる ため 、 以下 で は 「 文体 」 に 「 話 体 」 も 含め て 述べる 。